——『にじさんじ』が3周年を迎える大きな節目の大型イベントということで、まずはにじさんじ3周年に際してのみなさんのお気持ちをお聞かせください。
社築(以下“社”):僕がにじさんじに入ったのは1期生の方が入ってから3ヶ月くらいでした。開始後の3ヶ月っていうのが結構大きい意味をもってて、全体を通して見るとにじさんじの3年間の歴史のほとんどの期間携わらせていただいたことになるんですけど、個人的には色々やれることをやってきたのであっという間だなっていうのが感想かな(笑)。「いつの間に経ってたんだなー、ああ3周年も続けられてすごいな」っていうのがありますね。もちろん偉大な先輩もいるし、すげー後輩が入ってきたおかげっていうのはありますけど……ってなんかちょっと綺麗事ばっか言ってますね(笑)。
——いえいえ! 綺麗事とかそういうこと気にしなくても大丈夫ですよ(笑)。社さんの素直な想いをいただければ。
社:そうですね……割とそう思いますし、3周年続くっていうのはすごいことで3周年続いたんだから、これからも4年5年と続けられるように頑張っていくしかないのかなって思いますね。
——そんな社さんの後輩の1人である笹木さんから見た、社さんとか同時期の他のライバーさんとかどうでした?
笹木咲(以下“笹木”):SEEDsですよね? なんかはちゃめちゃしてて面白かったけどな。今までにないにじさんじの色みたいな人たちがすごい集まって、当時考えるとすごい大人数だったし、色々やらかしてて見てる分には面白かった(笑)。
社:珍獣がいるぞみたいなね(笑)。でもそうか、笹木が後なんだよな、SEEDs1期よりも。
笹木:そうそう、ちょっと後輩。
社:入れ替わりなんすよね。ゲーマーズ1期が僕よりも先で。叶くんとばねちゃんがまず入って、そのあとSEEDs1期が入って……その後に笹木とモルル、ひまわりが入ってみたいな感じなんすよ。
笹木:そうそう。
——交互に新しくメンバー入ってた時期ですね。5月にゲーマーズ1期で、6月がSEEDs1期のみなさん、それで……。
笹木:で、7月うちら。
——ということですね。
笹木:うんうん。
社:結構慌ただしく入ってきたんですよね。
笹木:そうだね、あそこラッシュって感じなんで。
社:だから一気に10人くらい入ってきて。
笹木:うちらから見ると、なんか若干近寄りがたかった(笑)。
社:今と違って分かれてたもんね、グループごとに括られてて。
笹木:そうそう、その時は統合してなかったから。
社:統合してなかったから、今ではもっとゲーマーズのみんなと仲良くなれたけど、当時は絶対無理だなと……(笑)。
笹木:お互い近寄れなかったよな(笑)。
社:そうそう(笑)。今思うと、統合はよかったなって思うことばっかり。
——笹木さん的には、ゲーマーズはもちろんのこと、そんな社さんやSEEDsとの思い出など含めて、3年間どうでしたか?
笹木:その時も人が多いなって想ったけど、3年経ったら100人超えたし……。
社:そうだねー。
笹木:100人の名前をしっかり覚えてる自分がすごいなって。
社:(笑)。
笹木:うち、100人ちゃんと名前覚えられるんだって(笑)。
社:うーん、確かに。
笹木:ね。
社:俺、人の名前覚えらんねーもん。
笹木:そうそう、でもちゃんと覚えてるから。
社:なのに覚えられてる。
笹木:ね、同じ事務所だったら覚えるんだって(笑)。あと初めの頃は、3Dも委員長がやっとで、すげーみたいな感じだったけど、今となってはみんな今お披露目ラッシュやし、モデルも綺麗やしねー。
社:昔は棒立ちでね(笑)。
笹木:そうそう。今はぬるぬる動きながら番組までやらしてもらって。
社:すげーことよね。
笹木:3年の間にこんなになって番組まで出来るんだってすごいなって思いました。
——社さんも仰ってましたが、3年という月日は早くて、ご自身の活動だったり、そういったメンバーのお名前だったりと、気付いたらもう自分の中に根付いてる感じでしょうか?
笹木:そうですね、3年経ったなって感じはしない。
社:そうね、それに笹木は途中間が空いてるから(笑)。
笹木:そうだね(笑)。それでも全然1年くらいの気持ちだわ。
社:うんうん、わかるわかる。俺もまだ1年ちょいの感覚。でもデビューしたての頃はね、時間経つの長かったんだよね。
笹木:へー。
社:がむしゃらというか、何やっていいのかわからんかったから。
笹木:あー初めの1ヶ月は長かったな。
社:長かった。さっき笹木、当時はちゃめちゃしてるって言ってたじゃん?
笹木:うんうん。
社:はちゃめちゃなことすると、やっぱなんだろうね、良くも悪くも賛否両論というか……当時突発的に大人数で配信するだけで、「先輩たちが築き上げてきたものをなんだと思ってるんだ!」っていう声もリスナーからあったりして……。
笹木:(笑)。
社:今思うと、「何が?(笑)」って思うんだけど(笑)。そういうのも真剣に受け止めたりして、やべーなこの世界、ルールがわからん!みたいな(笑)。文化が違うって感じてました(笑)。
笹木:あーでもルールはわかんなかったなー。初めの頃。今では当たり前になったけど。
社:そうそう。
笹木:やってみて、これダメなんや〜ってことはあったな。
社:今はだいぶ何でもやっていい風潮だけど、昔はかなり何やるなみたいなのがあったから難しかったんだよね色々。だから長く感じたのかな。
笹木:難しかったな、色々。
社:自分のできる範囲でおもろいこと何かなー?ってみんな考えてたような気がする。今だとゲームとかもいっぱい出来るけど。
笹木:ゲマズは好き勝手それぞれやってたな。
社:うん、今は結構色々やらせてもらってるけど、昔はね色々難しくて(笑)。
笹木:会社がすげー3D技術とか権利問題系も頑張ってくれてね。
社:やってくれるようになったからね。
笹木:運営さんが頑張ってくれてるんだ。
社:そうだよなー。その辺本当にありがたいよね。それが大きく進化したところというか、自分の好きなゲームの案件とかできるようになったしすげえなと思う。改めて当時の環境から思うと。
——振り返ってみれば、3年で結構変わってますね本当に。では続いてこの3年の間、これまでの活動の中で印象に残ってるエピソードなどあればお聞かせください。
社:笹木、前何話した?
(※編注:この対談の前、笹木さんはSitR東京リベンジ公演の対談を別日に行っていました)
笹木:私は復帰のときの話かな。
社:あー復帰か。東京公演の時にそれ話したのか。
笹木:そうそう。
社:ベルモンド誰やねん事件とか……あれ何年前だっけ? 2018年の11月くらいに笹木がいったん引退して……。
笹木:だいたい一昨年か。
——そうですね。それで2019年の1月に復帰なさってました。
社:2ヶ月……(笑)。
笹木:2ヶ月……。
社:草生えんだよなまじで(笑)。
笹木:2ヶ月めっちゃ短いよなー。
社:2ヶ月は短いなー……あれはしょうがないけどね。端から見ててもそう思ったかな。
笹木:ねー。
——その「笹木咲引退!からの復活!」って、にじさんじの歴史を語る上でどこでお話聞いても出てくる話題だと思うのですが、社さんから見た笹木さんのその時の印象はどうでしたか?
社:まあ可哀想だなっていう……(笑)。
笹木:あはは(笑)。
社:当時笹木が辞めようって決めた気持ちもわかるし、戻りたくなる状況もわかるし、なんてタイミングの悪い女なんだと(笑)。運が悪いんですよねこいつは(笑)。
笹木:そうだねー(笑)。
社:ある意味、2ヶ月で戻るって決断するのは結構大変なんで(笑)。何も考えてないだけかもしれないけど(笑)。
笹木:いやいや、そんなことないって(笑)。そんなことないよー!(笑)
社:でも2ヶ月はすごいよ(笑)。
笹木:覚悟必要だから(笑)。
社:覚悟いるよな(笑)。
笹木:色々な覚悟が必要だからね!(笑)
社:絶対になんか言われるもん(笑)。そりゃ思うよ(笑)。
笹木:準備は入念にしたわ(笑)。
社:あーはいはい、確かにな。そうだよな。
笹木:うん。
社:『笹木は嫌われている。』とかもあってな。だからその2ヶ月で戻ってきて、みんなにちゃんとインパクト残せるようなことしてやったのはすげーなと思うし、もともと引退するときにコメントしたら(笹木が)反応してくれたのがあって、「辞めんのか、もったいねーな」と思ってて……当時まったく絡みとかなくても。戻ってきてれくれたのは嬉しいなって思ってましたね。
——笹木さんご本人としては当時振り返ってみていかがですか?
笹木:引退まわりの話は、私も全然決断できなくて……今更戻るなんてことがどう見られるか自分でも明らかにわかる中だったから。でも椎名とりりむがその時に声かけてくれて……3人で通話してる時にあの2人が「戻ってきなよ」って言ってくれて、自分も決断できたなって感じでしたね。
社:マジか、それ初めて聞いたな。
笹木:その前に運営に声かけられてて、そん時はうち、「何言ってんねんこいつら」って思って(笑)。
一同:(笑)。
笹木:なんやこの運営って思って(笑)。そんな中、椎名とりりむがずっと心配してくれてて、久しぶりに喋った時に「戻ってきたらいいと思うよ」的なことを言ってくれたから、気持ちに整理がついて戻れたって感じですね。
社:箱内で同じ仲のいいライバーたちが、どう迎えいれてくれるかって気にするよね。
笹木:それはねー……視聴者さんたちもたぶん色々思ったやろうけど、ライバーさんからの印象が一番怖かったかなー。
社:うんうん。
笹木:当時うちのこと気にくわない人絶対いたやろうし、「なんだ?」って感じだったと思うから、その中でも椎名とりりむには感謝だなって。
社:いいやつらだな。
笹木:いいやつら本当に。
——めっちゃいい話ですね。
社:初めて聞きましたよ(笑)。
——社さんはいかがでしょうか? SitR東京リベンジ公演の対談の際にもみなさんに伺ったのですが、印象的な出来事じゃなくとも、ご自身のライバー活動の中でターニングポイントだったなという出来事やエピソードなどでも。
社:あー、やっぱりビーマニやったところかな? 音ゲーですね。それを配信上でやったのが自分にとっては完全にターニングポイントだったかな。あれも自分の中では結構大きな決断というか、当時自分にゲーム実況の印象があまりない中でしたし。今はもうゲーム実況バリバリやってる人みたいになってますけど、当時ゲーム実況はあんまりやらなくて、「ああこいつゲームするんだ、へー」っていう存在だったと思うんですよ。そう考えるとあれは完全にターニングポイントだったなって思いますね。これからはゲームバリバリやってくんでよろしく!みたいなところを、活動始めて半年でやっと見せたと思います。もちろん色んな確認に時間がかかったってのもあるんですけど。あと印象に残ったことは……ハッカドールかな。いやあれは本当に。
笹木:あったなー。
社:あれ案件じゃなくて、コラボでやらせてもらって、めちゃくちゃ手厚くアプリに実装してもらったりとかして、サービス終わったあとも配信見てくれて、Tシャツくれたりグッズくれたり……いやー素晴らしい企業です。もともとDeNAって企業が好きなので、あれも完全に印象に残ってる出来事でした。そんなところを関われたことが本当に幸せというか、これまでの中でも自分の中で大きなものになってますね。
——せっかくなので、今回は『レバガチャダイパン』のステージということで、お二人ご自身のライバー人生の中での『レバガチャダイパン』についてはいかがでしょう?
笹木:『レバガチャ』も、ゲームやる時にゲーム会社の人に許可をとってっていう形をしてるんですけど、その時にゲーム会社の人たちがすごく好意的にしてくださったり、グッズも送ってくださったりすることがあったりして、すごいことだなーって。番組を見て「すごく面白かったです」って言ってくれたりとか、めちゃめちゃすごいことだなって思いますね。そういう時はすごく嬉しいです。
社:僕もそうですね。ゲーム開発者の方からのレスポンスって、自分としてもあったらめっちゃ嬉しいんですよ。開発した人に感謝されるってマジで印象に残ることなんですよね。だってそのゲームの生みの親ですから。生みの親はたぶんドキドキしてると思うんすよね、自分のゲームプレイされるのって。それの期待に応えられたのかなっていつも思うんですけど、「面白かった」「プレイしてるの見て楽しかった」って言ってもらえたりして、本当に喜んでくれてるのがわかるんで、やってよかったなみたいな。基本的にそのゲームを実況することって、その会社のためになってるのか、ってわかんないんですよね。会社によっては、そんなやらないでくれよってスタンスのところもあると思いますし、まあもちろん権利の問題もありますから。そういうのがある中でゲーム会社にプレイ実況して「ありがとう」って言われるのは本当に嬉しいですね。
笹木:嬉しい。
社:それって稀なことだと思うんですよね。やってくれてありがとうみたいな、めちゃくちゃ嬉しいですね。ゲームの魅力少しでも伝えることができるのが嬉しいって本当思います。
笹木:いやー本当に。
——そう考えると『レバガチャダイパン』そのものが、このにじさんじ3年の歴史の中というか、お二人のライバー人生の中で、すごく大きなエピソードの1個なのかなって感じました。
笹木:そうですねー。2人でもらえてよかったね本当に。
社:いやーマジでそれ思うわ。
笹木:めちゃめちゃ運よかった(笑)。
社:それねー最初話来たときどうなるかわからんぐらいだけども。
笹木:そう、適当にやってた2人コラボがまさかねー(笑)。
社:そうだねー(笑)。こんな大きな番組になって、地上波でも流れたり。
笹木:うんそう、地上波もね、年末年始にできたし。
社:そのレベルの話になるとは……適当に将棋打ってただけなのに(笑)。
笹木:(笑)。
——そんな『レバガチャダイパン』が、今回3周年フェスのステージでやるってことなんですが、そのステージで力を入れるところや、こういうことやろうとしてるから見てね、といったポイントがあれば教えてください。
社:協力型で難しいゲームに挑戦するみたいのがあって、そこは見所なんじゃないかなと思いますね。ギバラとふわっちがくる回は、普段やってる『レバガチャ』の感じでコメディ寄り。るるちゃんとりつきんさんが出るやつは結構攻略寄りになるはず。
笹木:みんなで力を合わせてやってくみたいな感じですね。
社:『ゲームセンターCX』みたいな熱いドラマが見れたらいいですけどね(笑)。エンタメとは言っても、その2グループの方向性の違いを見せれたらなって、今はぼんやりと考えてます。
——今回のステージは、普段通りの『レバガチャ』を2回やるのではなく、それぞれ趣の違う企画で行われるんですね。そのゲームや企画はお二人で考えたんですか?
社:普段のゲーム選びはディレクターの方が提案してくださって、そのゲームに対してどんなことをするか……って考えるのがほとんどなんですけど、今回はゲストからの提案だったかな?
笹木:あーそうだね。
社:それでディレクターが基本的な型を「こういう感じでどうでしょう」って出してきてくださるので、それに沿う感じで「これならこんな感じはどうですか」とかどんどん膨らませていく感じですね。それでやっぱり、ゲストの方が決まりましたってなった時に、じゃあこの人たちと何するかってお話になったんですよ。その時僕たちから提案したのは、例えばるるちゃんとりつきんさんが決まった時には、協力して一緒にやった方がいいんじゃないかって案出しをしたと思います。
——そんなゲストのみなさんたちと上がる今回ステージへの意気込みなどをお願いします!
社:なんて言えばいいんだろうな……全員ぶち倒します!って言うにもぶち倒す企画じゃないものも入っているからなー(笑)。この『レバガチャ』でイベントやるのは、これで2回目なんですけど、だいぶイベントでの温度感もわかってきたと思うんで、よりよいイベントにできたらいいなって思ってます。ちょっと面白みのないコメントになっちゃいますけど(笑)。
——どうします? 面白みのあるコメント1個入れておきます?(笑)
社:いれときたいっすねー(笑)。
——では社さんが1個考えてる間に、笹木さんお願いします!(笑)
笹木:ステージでゲームやることになると思うんですけど、普段配信でしかみんなとゲーム配信って共有できてないから、こうやってステージ上でゲームしつつみんなともその時間を共有できるのは楽しいと思うから、一緒に盛り上がっていきましょう!
社:うめえ……。
笹木:完璧だぜ。
社:完璧やな。
——それでは社さん、どうしましょう?(笑)
社:やっぱレスポンスとかって返ってくんのかな?
笹木:まだ厳しいんじゃないかなー?
社:そうだよなー。……結構ステージもね、見ると配信とは迫力とか違ってたりするし、普段は編集でダイジェストの形式とかでカットされがちなんですけど、いい意味で“生”の『レバガチャダイパン』、をお届けできると思います。普段の『レバガチャ』って今言ったように編集されたものしか出されてないから、カットせず繋がったものをみなさんにお出しするのは横浜のイベントから2回目になると思うんで、いい意味で貴重な光景かなって思います。これがBD化するかわかんないすけど、されない可能性も十分にあるんで、ぜひ目に焼き付けて帰ってほしいかな。生で見ても、普段からきびきびやってんなって思われると思います(笑)。編集いらずの撮れ高製造マシーンじゃんみたいな(笑)。
——それでは最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
社:このご時世にせっかく来ていただけるので、一緒に盛り上がっていけたら嬉しいです。飛沫が飛ばないように(笑)。飛沫が飛ばない程度に盛り上がっていきましょう!(笑)よろしくお願いします。
——笹木さん、お願いします。
笹木:お前らの顔、全部覚えてやるからな!
社:IDも控えよう(笑)。
(取材・編集/MF文庫J編集部 大竹)